[9]部屋のドアにロックをかけると、ぼくはやさしく微笑みながら、ベッドに腰かけているまり絵のほうに歩み寄った。
「なかなかいい部屋だわ」
「うん、そうだね」相づちを打ちながらまり絵の肩に手をかけた。巻き毛をかきあげ唇を重ねる。……そしてお決まりのコース。
フルコースを終えると、まり絵はぼくの肩にしなだれかかってきた。
「あなたって、すごいテクニシャンなのね」
「まあね」
「いままでになん人の女性と経験したの?」
「さあ。でも、きみより素敵な人とは一度も経験したことがないんだ」
「嘘ばっかり」
いや、本当のことなんだ。
0「あの日に還りたい」扉ページ 1前に戻る 2続きを読む