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あの日に還りたい
星が告げる奇跡★
あなたの運命の人
[6]
でぶ猫が、曲がり角にあるゴミバケツの上で残飯をあさっていた。その角をまり絵が曲がろうとしたので、ぼくはあわてて首を振った。
「どうしたのよ?」
「猫のいる角を曲がってはいけないというのが、死んだお婆ちゃんの遺言なんだ」
「へんなの」
「とくにでぶ猫は縁起が悪い」
まじめくさった顔でぼくがいうと、まり絵はぷっと吹きだしたが、あえて異議は唱えなかった。次の角を曲がって、変な男に出逢うこともなく、ぼくたちは無事ホテルにたどり着くことができた。はじめからこうすればよかったのだ。
部屋のドアにロックをかけると、ぼくの興奮は異常に高まってきた。それはそうだ。密室のなかで女の子とふたりきりになるなんて、これがはじめての体験なのだ。
「ふうん。なかなかよさそうな部屋ね」
そういいながらまり絵はダブルベッドの端に腰をおろした。ミニスカートの裾から彼女の太股が顔をのぞかせた。すらりとした下肢が、ひきしまった足首がぼくの気を妖しげに誘っていた。ぼくは鼻息も荒く彼女を押し倒すと、スカートをめくりあげパンティストッキングに手をかけた。とたんに左の頬が激しく鳴った。
「なによ。さかりのついた犬みたいに。手順てもんがあるでしょ。どうやら誘う相手を間違えたみたいね。わたし、帰る」
憤然とそういって、まり絵はぼくを押しのけると、バッグをつかんでベッドから起きあがった。
いや、ここで帰られると困るのだ。
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