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あの日に還りたい
天が与えた宿命と
貴方への星の恵み
[5]
がたんという音に驚いて、そちらのほうを見ると、豚のような猫がゴミバケツの蓋に飛び乗ったところだった。そして、すこし開いた蓋の隙間から必死で残飯を引っぱり出しはじめた。ぼくとまり絵は小さく手を振って、やつにエールを送ってやった。
豚猫のいる角を曲がってしばらく行くと、闇に沈んだ壁際からひとりの男がふらっとした足取りでさまよい出てきて、ぼくたちの行く手をさえぎろうとした。
「いいねえ。きみたちこれからホテル? おれも混ぜてくんない? みんなで3Pやろうよーん」
おびえたようにまり絵がぼくの背後にまわり肩にしがみついてきた。ぼくはまり絵にすこし離れているようにいった。
「おうおう、ナイト気取りかよ。やけるねえ」
「いいから、そこをどいてくれよ」
ぼくはつとめて静かにそういってやった。
「なめんじゃねえ!」
怒声とともに男は閃光の右パンチを放った。見えなくても、パンチの軌道があらかじめわかっていればよけるのはたやすい。ぼくは体を沈ませ、体重の乗った男の左足を刈ろうとした。と、男の両の足がふわりと宙に舞った。そして、あわてて体勢を立て直そうとしたぼくの右のこめかみで、男のどちらかの足が炸裂した。
夜がまたもや回転をはじめた。なんてことだ。男の実力は、このぼくをはるかに凌駕するものだったのだ……。
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